地域へ向けた『認知症』への取り組み

 

こんにちは!院長の梅野です。

まごころブログでは、少しご無沙汰いたしておりました。その間、今年度はスタッフにもブログを書いてもらっていますが、ブログを通じて、日頃のまごころの様子が伝わっていましたら幸いです。

 

早いもので今年も残すところ1ヶ月となりました。

今月は、地域へ向けた『認知症』への取り組みについて、四街道市で行われていること、そこへまごころがどのように関わっているかについてご紹介させていただきます。

 

平成30年3月より四街道市にも全市区町村に設置義務のある『認知症初期集中支援チーム』が立ち上がりました。

 

認知症初期集中支援チームとは・・・

 

「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けられるために、認知症の人やその家族に早期に関わり、早期診断、早期対応に向けた支援体制の構築」

 

を行います。

 

わかりやすく言いますと、

 

「日常生活を送るにあたり、ご家族やケアマネ―ジャー、医療機関が認知症疾患をベースに生じた症状への対応に難渋する方に対してアプローチする組織」

 

です。

 

具体的な流れとしまして、「認知症かな?」とお困りの場合、まずはお近くの地域包括支援センターへご相談してください。そこで解決が難しいと判断された場合、チームへの依頼と至ります。

 

四街道市のチームは地域包括支援センターに設置され、医師・保健師によってチーム構成されています。

 

四街道市以外では、地域包括支援センター・病院・訪問看護ステーションなどに設置されることもあり、チーム数や活動頻度、対象人数にも独自性があるようです。

 

 

 

現在、認知症に対していくつかの薬はありますが、

 

「見かけ上、半年、認知機能の低下を遅らせる」

 

という効能となります。

 

薬がその方にマッチングし、非常に効果的な例も経験しますが、中には興奮が増したり、または元気が無くなり歩けなくなったりする等の副作用を認める方もあり、常に慎重な対応が必要とされると思います。

 

また、BPSD(周辺症状)という認知機能の低下に応じて出現する興奮・焦燥・易怒・介護抵抗などの症状にはそれぞれ適切に投薬することもありますが、特効薬というものはないので試行錯誤が必要です。

 

10月17日(水)、四街道市文化センターにて第17回まごころ在宅連携会を「認知症と多職種連携について」というテーマで開催し、約60名の参加がありました。

 

前半は参加者によるグループワークをおこない、後半は四街道市高齢者支援課の坂本様より四街道市の認知症施策の現状についてお話しいただききました。

 

グループワークでは症例を提示し、テーブル毎にアセスメントと解決策についてディスカッションしてもらい、その後全体で発表し提案内容を共有しました。

症例は、実際に認知症初期集中支援チームで対応した方をベースにしましたので、現実の対応策とその後の経過も発表しました。

 

例示症例は、ご本人が警察署に繰り返し訪れるという行動をなくし、また配偶者の認知症の理解を深めることにより、ご夫婦が再び安心して生活できるようになる等、チームの関わりによって劇的に状況の改善が見られました。

 

このような経験を通じ、チームの強みとして医師・保健師などの専門職の介入によって十分に時間をかけて、本人や関わるご家族に認知症についての理解を深めてもらい、認知症とうまく付き合っていくことを支援することにあると感じました。

 

明日12月2日(日)13:30より四街道市南部総合福祉センター わろうべの里にて「認知症の人を支える会3周年記念講演会」が開かれ、チーム員保健師の照沼さんと私、梅野にて認知症にまつわる講演をする予定となっております。

 

また、12月5日(水)には、13:30より四街道市八木原小学校にて「認知症について考えよう」と題して地域の市民向け講演会を予定しています。

 

このような行政としての取り組みと医療法人社団まごころとしての活動を有機的にリンクさせることにより、地域住民の皆様が「安心」して暮らせるようにしていくことが我々の使命であると考えます。

 

今年も残りわずか。

1日1日を大切にし、自分達に何ができるかを真剣に考え、新年を迎えたいと思います。

 

医療法人社団まごころ

四街道まごころクリニック

理事長/院長 梅野 福太郎


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