地域食支援コーディネーター


 こんにちは!管理栄養士の伊藤です。

 新緑がまぶしい季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 

 昨年9月から半年間放送されたNHKの朝ドラ「おむすび」はご覧になりましたか?管理栄養士が主役となるドラマは珍しく、このドラマのおかげで私自身にもお声がけいただく機会が増えたように感じています。作中には言語聴覚士も登場しましたが、今回は、まごころの食支援に携わる管理栄養士と言語聴覚士が学び、資格取得してきました「地域食支援コーディネーター」についてご紹介したいと思います。

 

 私は普段、在宅療養されている方々のお宅へ訪問し、「食事が食べにくい」、「食事量が減って痩せてきた」など、食事に関するさまざまなお困りごとのサポートを行っています。中には、「最期まで口から食べたい」という願いを持たれる方もおり、人生最期の食事に関わらせていただくこともあります。こうした支援全般を「食支援」と呼んでいます。

 

 食支援の内容は幅広く、体調や栄養状態、服薬状況、口腔内の環境、咀嚼や飲み込む機能、食事準備や食形態、食事姿勢、介助方法に至るまで、多岐にわたります。

 

 当院でも、さまざまな職種が連携しながら支援にあたっていますが、地域で活動できる専門職の数には限りがあり、症状が進行してから支援に入らざるを得ないケースも少なくありません。

 

 だからこそ、口から食べることや栄養に課題のある方をできるだけ早期に見つけ、専門職へとつなぐためには、地域ぐるみでの理解と協力が不可欠です。また、「なぜ口から食べられないのか?」という原因を見極めることも非常に重要です。

 

 そこで役立つのが「地域食支援コーディネーター」です。

 この資格は、個々の「食べられない理由」を的確に判断し、必要な食支援を届けるだけでなく、地域全体の視点から食支援活動に取り組む役割を担うものです。

 

 たとえば、以前私が関わったケースでは、誤嚥性肺炎で入院し、ペースト食で退院された方がいらっしゃいました。退院時には「1年間はこの食形態で」と指示されていましたが、ご本人には「もっと普通に食べたい」という希望がありました。

 そこで言語聴覚士や訪問歯科のチームと連携し、多職種で支援を続けた結果、半年後には軟飯・軟菜といった形態の食事がとれるまでに回復されました。

 

 当院では毎月「まごころ在宅連携会」を開催しており、4月・5月の2回シリーズで「毎日の食事を一緒に考えよう!!」をテーマに取り組んでいます。

 4月は言語聴覚士による食事介助の実技、5月は私が食形態や栄養量について講話を行う予定です。(会場では、実際に試食も体験していただけます!)

 

 今後の地域食支援活動の展開はまだこれからですが、少しずつ一歩一歩、進めていきたいと思っています。

 ご興味のある方はぜひお気軽にお声がけください。

 一緒に「食べられる街づくり」を目指していきましょう!

四街道まごころクリニック

管理栄養士 伊藤 

無事に「修了証」をいただきました!!
無事に「修了証」をいただきました!!

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