続・まごころの医療DX


 こんにちは。事務長の大西です。いつも当院の活動にご理解とご協力をいただき、心より感謝申し上げます。

今年2月のまごころブログでは、「今後のまごころの医療DX」として、お話させていただきました。あらためてですが、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、医療・介護において発生する情報やデータを、クラウドなどを通して、業務・システム・データ保存を外部化・共通化・標準化することで、予防の促進、より良質な医療・ケアを受けられるような社会にすることを表します。

 今日はその続編としてまたさらにお話しさせていただきます。

 

■ ICT連携ツールによる多職種のつながり

 まごころでは開院当初から、紙やFAXも活用しながら、ICT(情報通信技術)連携ツールを積極的に導入してきました。医師・看護師・管理栄養士・事務スタッフに加え、訪問看護ステーション、薬局、ケアマネジャー、介護施設などの地域の関係者と、リアルタイムに情報を共有できる仕組みを整えています。

 このハイブリッドな情報共有体制により、患者さんの容態変化や薬の調整、栄養管理などが即座に関係者へ伝わり、「顔の見える関係」がより強固になりました。地域全体で患者さんを支える環境が、デジタルと従来手段の両方を活かして築かれています。

 

■ 在宅でも可能になったオンライン資格確認

 昨年来、私たちは「オンライン資格確認」の仕組みを在宅医療にも取り入れてきました。これは、マイナンバーカード(マイナ保険証)を利用して、患者さんの保険証情報や薬の履歴をオンラインで確認できる仕組みです。訪問診療や訪問看護の際にも、その場で確認ができるようになり、医療の安全性と効率性が高まりました。

 すでに多くの患者さん・ご家族にご協力いただいておりますが、まだマイナンバーカードを取得されていない方や、保険証として活用していない方もいらっしゃいます。もちろん従来の健康保険証でも診療は可能ですが、今後はマイナ保険証が主流となっていく見込みです。ぜひ機会があれば取得・ご利用をご検討いただければ幸いです。

 

■ これから導入する電子処方箋

 9月以降、まごころでも新たに導入を予定しているのが「電子処方箋」です。これは、医師が発行した処方箋データを専用システムを通じて薬局に直接送信できる仕組みです。これにより、患者さんは紙の処方箋を持ち歩かなくても、どの薬局でもお薬を受け取ることができるようになります。さらに、複数の医療機関から処方を受けている場合でも、薬の重複や飲み合わせがシステムでチェックできるため、より安全で安心な薬の提供が可能になります。

 患者さんにとっては「薬を受け取る流れが便利で安全になる仕組み」とご理解いただければと思います。現在は導入準備中であり、正式な運用開始時には改めてご案内させていただきます。

 

■ 今後の展望:AIやRPAの活用へ

 ここまでご紹介した取り組みは、医療DXの入り口にすぎません。今後はAI(人工知能)による診療補助や、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による事務作業の効率化なども視野に入れています。人が担うべき「まごころの医療」と、機械に任せられる作業をうまく切り分けることで、患者さんと向き合う時間をさらに大切にできるようになるはずです。

 

■ おわりに

 医療DXとは、単なる「デジタル化」ではなく、地域の皆さまがより安心して暮らせるよう医療を変えていくための取り組みです。ICT連携ツール、オンライン資格確認、そしてこれから始まる電子処方箋──まごころは一歩ずつ、地域と共に前へ進んでまいります。今後の挑戦にも、どうぞ温かく見守っていただければ幸いです。

事務長 大西 肇 

注:イメージ図です
注:イメージ図です

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