「認知症」において地域の医療・介護職に 知っておいてほしいこと~レビュー


こんにちは、院長の梅野です。

今年もいろいろありましたが、師走を迎えることができました。

皆さまにおきましては、いかがお過ごしでしょうか。

 

さて、10月14日(金)に第15回千葉在宅を考える会をオンライン開催致しました。

Zoom、YouTubeで常時130名程度のご参加をいただき、感謝申し上げます。


 

前半は、袖ヶ浦さつき台病院、認知症疾患医療センター長 細井 尚人 先生によるご講演でした。

 

「認知症に王道なし、マニュアルなし」

 

このセリフから講演はスタート。

認知機能の軽度低下から、著しく低下をきたし入院加療となったり、そのままお看取りをする経験をされている先生ならではの認知症の❝自然史❞をベースにした俯瞰的なお話を聞けたのではないかと思います。

 

「外来より入院の方が、薬が減ることが多い。」

 

おそらく皆さんの認識は逆。つまり、

 

「入院するほどだから、多数の薬剤にてコントロールする」

 

だったのではないかと思います。

 

結局、認知症の人にとって何が必要か。

それは、不安や混乱を和らげてくれる人や場所。

本人や介護者を孤立させず、医療やサポートは命を大切にすることが大切だと言うことでした。

 

入院では時間をかけてその方との関係性が馴染んでいく中、本人は落ち着いていくそうです。

そうすると必要な薬が減らしていけると。

要するに認知症への薬は鎮静作用が主となっており、決して認知機能を改善させたり安定させたりするものではないからこそ、人と人として向き合っていくことが必要だということでした。

 

また関係性を構築するためにライフレビューをおこなうことが肝要だと。

その方がどこで生まれ、どこでどのように過ごし、何を経験しそして何を大切に生きてきたか。その人の経験や価値観を知ることで、どのように接していくのかが見えてくる。そうして初めて本当の関係が作り上げられると。

 

心に響くメッセージでした。

 

後半は、介護抵抗あり、対応に苦慮されたケースについてちぐさ会クリニック院長 福田 員茂 先生とみやこ訪問看護ステーション所長 佐藤 彩美 様にご発表いただきました。

主たる介護者の奥様が徐々に主体的に介護していく過程が見て取れて、それを在宅チームが後押ししていたのが印象的でした。

 

それを受けてのシンポジウム。

シンポジストとして千葉市あんしんケアセンターみつわ台 管理者 山本 彰博 様とシャローム若葉訪問介護事業所 管理者 赤田 哉惠 様が加わりディスカッション。

やはりライブレビューについてご意見などを述べていただきました。

赤田様からは自宅でサポートしていく上で、生活に密に介入しているヘルパーと看護の連携の促進についての言及がありました。

介護は介護、医療は医療と区別できるものではなく、介護を担うヘルパーが医療面もカバーできるとより一層の安心した療養生活に繋がるのではとのご意見でした。

 

多職種連携と言われて、もうだいぶ久しいですね。

地道に繰り返し情報共有をおこなうという基本に立ち返って、じっくりと歩を進めていきたいと思います。

 

医療法人社団まごころ
四街道まごころクリニック

理事長/院長 梅野 福太郎


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